人気のゲームエンジン10種を比較:長所・短所と選び方
ゲームを作るとき、最初に悩むのはどのエンジンを使うかです。この記事では、現在よく使われている10種類のエンジンを、大規模な3Dエンジンから Web 向けの2D ツールまで取り上げます。それぞれについて、主な言語、対応プラットフォーム、価格やライセンス、長所、短所、向いている人を説明します。末尾には比較表と選び方の図があります。
読む前に知っておくこと
価格とライセンスの情報は、2026年10月に確認した公式ページに基づきます。Unityの Personal プランは、直前12か月の収益または資金調達額が20万米ドル未満のあいだ利用できます。Unreal Engine は、生涯の総収益が100万米ドルを超えるまでロイヤリティはかからず、超えた分の5%が必要です。GameMaker は非商用であれば無料で、ゲームを販売する場合は買い切りの Professional ライセンスが必要です。これらの条件は変わることがあるため、決める前に公式サイトで確認してください。
図解
1. 比較表
この表は、各エンジンの言語、次元、おおよその価格、主な強みをまとめたものです。
| エンジン | 主な言語 | 次元 | 価格(2026年10月確認) | 主な強み |
|---|---|---|---|---|
| Unity | C# | 2Dと3D | 年間収益20万ドル未満なら Personal は無料 | モバイルとインディーゲームの多さ |
| Unreal Engine | C++とBlueprint | 主に3D | 無料。生涯収益100万ドル超で5%のロイヤリティ | 高品質なグラフィック、AAAゲーム |
| Godot | GDScript、C# | 2Dと3D | 無料かつオープンソース(MIT) | 軽量で完全にオープンソース |
| GameMaker | GML | 2D | 非商用は無料。販売には買い切りライセンス | 2Dゲームを素早く作れる |
| Construct 3 | なし(イベントシート) | 2D | サブスクリプション | コードが不要 |
| Cocos Creator | TypeScript、JavaScript | 2Dと3D | 無料かつオープンソース(MIT) | モバイルとWebゲーム |
| Defold | Lua | 2Dと3D | 無料 | 小型で速いモバイルゲーム |
| RPG Maker | JavaScript(プラグイン) | 2D | 買い切り | RPGを素早く作れる |
| Roblox Studio | Luau | 3D | 無料。収益は Robux で得る | 既存のプレイヤーが多い |
| Phaser | JavaScript、TypeScript | 2D | 無料かつオープンソース(MIT) | ブラウザで動くゲーム |
2. Unity
モバイルとインディーゲームで最も広く使われているエンジンの一つです。2Dと3Dの両方に対応し、ライブラリとチュートリアルが豊富です。Visual Studio や Rider で C# を使います。
**長所**
- リソースとチュートリアルが多く、答えを見つけやすい
- モバイル、コンソール、PCなど多くのプラットフォームに対応
- Asset Store にモデルやツールが多い
**短所**
- 価格と条件が頻繁に変わるため、自分の収益とライセンスを確認する必要がある
- 大規模なプロジェクトは重くなり、アセット管理は自分で行う
- 大きなプロジェクトでは初期設定の変更が必要なことがある
**向いている人:** モバイルゲームや2D・3Dゲームを作りたいインディー開発者、小〜中規模のスタジオ
3. Unreal Engine
Epic Games が開発する高性能エンジンです。3Dグラフィック、ライティング、アニメーションに優れています。中核のシステムには C++、視覚的なスクリプトには Blueprint を使います。
**長所**
- エンジンを自作せずに高品質なリアルグラフィックを作れる
- Blueprint を使えばコードを書かずに始められる
- 生涯の総収益が100万ドルを超えるまで無料
**短所**
- 高性能なパソコンが必要で、プロジェクトファイルが大きくなる
- 最初は他のエンジンより習得が難しい
- シンプルな2Dゲームには機能が過剰な場合がある
**向いている人:** 高品質な3Dゲームを作るチーム、映画のような映像やライティングが必要なプロジェクト
4. Godot
人気が高まっているオープンソースエンジンです。主な言語は Python に似た GDScript です。エディタ、シーンシステム、わかりやすいノードを備えています。
**長所**
- MIT ライセンスで無料、ロイヤリティなし
- ダウンロードサイズが小さく、起動が速い
- 特に2Dに向いている
**短所**
- Unity に比べてアセットストアや既製のライブラリが少ない
- 3D の機能は最大級のエンジンにはまだ及ばない
- コンソールへの書き出しは外部サービスを経由することが多い
**向いている人:** 無料のエンジンを使いたい初心者、2Dや小規模なインディーゲームを作る開発者
5. GameMaker
2Dゲーム向けのエンジンで、覚えやすい GML という言語を使います。有名なゲームの多くがこれで作られました。
**長所**
- 2Dゲームを学んで作るのがとても速い
- 非商用なら無料
- 有料ライセンスで複数のプラットフォームに書き出せる
**短所**
- 2D に特化しており、大規模な3Dゲームには向かない
- 販売にはライセンスが必要で、コンソール書き出しは高価なパッケージが必要
- Unity や Godot よりコミュニティが小さい
**向いている人:** 予算が限られ、2Dゲームを素早く作りたい開発者
6. Construct 3
コーディング不要の2Dエンジンです。視覚的な言語であるイベントシートを使い、ゲームのロジックを学ぶのに向いています。
**長所**
- コーディング不要で、初日からゲームを作れる
- Web やモバイルへの書き出しが簡単
- シンプルなインターフェース
**短所**
- 継続的なサブスクリプションが必要
- 非常に複雑なゲームは管理が難しい
- 2D に特化しており、3D には向かない
**向いている人:** コーディングの経験がなく、簡単なゲームを素早く作りたい初心者
7. Cocos Creator
中国発のオープンソースエンジンで、チャットアプリ内で動くミニゲームやモバイルゲームで人気があります。TypeScript または JavaScript を使います。
**長所**
- MIT ライセンスで無料かつオープンソース
- Web、モバイル、ミニゲームのプラットフォームへ複数の形式で書き出せる
- モバイルゲームで高いパフォーマンス
**短所**
- Unity に比べてコミュニティが小さく、英語の資料が少ない
- 一部のツールは最大級のエンジンほど完成していない
- エディタ全体を覚えるには新しいシステムの学習が必要
**向いている人:** TypeScript に慣れていて、ミニゲームを作りたい Web・モバイル開発者
8. Defold
軽量で高速に動くように設計されたエンジンです。Lua を使い、モバイルゲームに重点を置いています。重いツールを入れなくても、エディタはすぐに動きます。
**長所**
- ゲームのファイルが小さく、起動が速い
- 無料で、すべてのモバイルプラットフォームに対応
- 構造がシンプルで小さなゲームに向いている
**短所**
- Unity に比べてコミュニティが小さく、英語の資料が少ない
- 高度な3D機能は少ない
- Lua は初心者にとって馴染みがない場合がある
**向いている人:** とても軽いゲームファイルが必要な、小さなモバイルゲームを作る小規模チーム
9. RPG Maker
2Dのロールプレイングゲーム(RPG)を作るためのツールです。ストーリー、戦闘、マップの仕組みが最初から用意されています。細かい変更には JavaScript を使います。
**長所**
- 基本の仕組みを作らずに、RPG を素早く作れる
- 買い切りで、毎月の支払いが不要
- アセットやプラグインを共有する大きなコミュニティがある
**短所**
- RPG に特化しており、他のジャンルは作りにくい
- カスタマイズしないと見た目が似てしまう
- 3D には向かない
**向いている人:** コードをあまり書かずに、RPG 形式で物語を伝えたい人
10. Roblox Studio
Roblox プラットフォームでゲームを作るためのツールです。Lua のバージョンである Luau を使います。作ったゲームはすぐにプラットフォームのプレイヤーに公開できます。
**長所**
- 無料で、大きな利用者層にすぐ公開できる
- 共有アセットや既成のスクリプトが利用できる
- Robux を通じて収益を得られる
**短所**
- Roblox プラットフォームに依存し、他に移すのは難しい
- パフォーマンスの制御やファイル共有には制限がある
- 収益はプレイヤーとプラットフォームのルールに左右される
**向いている人:** Roblox で公開して、マルチプレイヤーのゲームを作りたい人
11. Phaser
Web 向けの2Dゲームライブラリです。JavaScript または TypeScript を使い、プレイヤーのパソコンに何も入れずにブラウザで動かせます。
**長所**
- MIT ライセンスで無料かつオープンソース
- ブラウザでゲームがすぐに動き、公開が簡単
- ドキュメントと例が分かりやすい
**短所**
- Web の2Dに特化しており、フル機能のビジュアルエディタはない
- モバイル向けのパッケージ化には追加ツールが必要
- プロジェクト構造の管理を自分で多く行う必要がある
**向いている人:** ブラウザで動く2Dゲームを作りたい Web 開発者
12. エンジンの選び方
下の図の質問に順番に答えて、目的に合うエンジンを見つけてください。
1. 高品質な3Dが必要ですか。はいなら Unreal Engine か Unity を検討する
2. ブラウザで動くゲームが必要ですか。はいなら Phaser か Construct 3 を検討する
3. Roblox で公開したいですか。はいなら Roblox Studio を使う
4. コードを書いたことがありませんか。はいなら RPG Maker か Construct 3 を試す
5. 無料でオープンソースのエンジンがよいですか。はいなら Godot か Cocos Creator を試す
6. まだ迷うなら、チュートリアルが多い Godot か Unity から始める
次のステップ
まずエンジンを一つ選び、小さなゲームを一つ完成させてから、他のエンジンと比べてみてください。費用を決める前に、各エンジンの公式サイトで最新の条件を確認してください。
まとめ
誰にとっても最良のエンジンは一つではありません。Unity と Unreal は大規模なプロジェクト向け、Godot と GameMaker は2Dや予算が限られる場合に向いています。Construct 3 と RPG Maker はコードを多く書かない人向け、Cocos Creator、Defold、Phaser はモバイルと Web 向け、Roblox Studio は Roblox での公開向けです。目的、スキル、予算で選んでください。