Intel CPUの歴史:4ビットチップから現代のコンピュータの心臓部まで

Chart of transistor counts in Intel processors from 1971 to 1993
Transistors per Intel processor, log scale

コンピュータの電源を入れるたび、ゲームをするたび、スマートフォンで検索するたびに、CPU(中央処理装置)が裏で働いています。CPUは命令を読み、計算を行い、次に何をするかを決めるチップです。60年以上にわたり、Intelは CPU の開発で最も重要な企業の一つでした。この記事では、その歩みを順に追います。

誕生:Fairchildの3人

Intelは1968年、カリフォルニアで Robert Noyce と Gordon Moore によって設立されました。二人は Fairchild Semiconductor の技術者でした。その後、エンジニアであり経営者でもある Andy Grove が加わり、長年にわたって会社を率いました。初期の Intel はメモリチップを主力としていました。その成功によって、プロセッサチップの市場に参入する資金と信用を得たのです。

1971年:Intel 4004、初めて売られたプロセッサチップ

Intel の CPU の歴史が本格的に始まったのは1971年です。日本の Busicom 社が電卓用のチップ設計を依頼したとき、Federico Faggin、Marcian Hoff、Stanley Mazor らのチームは、より汎用的な案を提案しました。機能ごとに複数のチップを作るのではなく、メモリから命令を読み出して実行できる一つのプロセッサを作るという考えです。

完成したのは Intel 4004 です。4ビットで、約2,300個のトランジスタを持ち、10マイクロメートルの製造プロセスで作られ、最大約740キロヘルツで動作しました。今の基準では非常に遅いものです。しかし重要なのはその考え方でした。処理装置の全体を一枚のシリコンに収め、実際に販売された最初のチップでした。マイクロプロセッサの時代が始まったのです。

1978〜1981年:x86とIBM PC

1978年の Intel 8086 は約29,000個のトランジスタを持つ16ビットチップでした。以前のモデルの命令を受け継いでいたため、プログラムを移植しやすく、この設計から x86 アーキテクチャが生まれました。x86 はその後何十年も標準であり続けました。

1981年、IBM は IBM PC に外部データバスが8ビットの Intel 8088 を採用しました。この PC は膨大な数のパーソナルコンピュータの手本となり、x86 を中心とするソフトウェアの世界も急速に広がりました。

1985年:386、初の32ビット x86

Intel 386 は約27万5千個のトランジスタを持っていました。複数の作業を効率よく処理でき、Unix や後の Windows がより良く動くようになりました。1989年の 486 は浮動小数点演算ユニット(FPU)とキャッシュを一つのチップにまとめ、目に見えて高速になりました。

1993年:Pentium と「Intel Inside」

Intel は次のプロセッサを Pentium と名付けました。586 という数字は商標として登録できなかったためです。最初の Pentium は約310万個のトランジスタを持っていました。1991年には「Intel Inside」キャンペーンを始め、パソコンメーカーにロゴのシールを貼ってもらいました。多くの購入者が、自分のコンピュータの中の CPU の名前を初めて知るようになりました。

1994年、数学者の Thomas Nicely が Pentium のある除算の結果が誤っていることを発見しました。これは FDIV バグとして知られるようになりました。Intel の対応は当初遅れ、最終的には影響を受けたチップを顧客に交換し、多額の費用を計上しました。この出来事から、同社はテストと顧客への情報公開をより重視するようになりました。

2006〜2011年:Core と Core i

2006年、Intel はノートパソコン向けプロセッサの設計をもとにした Core アーキテクチャを発表しました。電力あたりの性能が大きく向上し、Core 2 Duo と Core 2 Quad は家庭や職場で人気を集めました。2008年の最初の Core i7 はメモリコントローラをチップに組み込み、Hyper-Threading によって1つのコアで2つのスレッドを同時に処理できるようになりました。2011年の Sandy Bridge はグラフィックスもプロセッサに統合し、簡単な画像処理なら別のグラフィックカードを使わずに済むようになりました。

2015〜2021年:製造の課題と競争の変化

Intel の10ナノメートル製造プロセスへの移行は、予定より時間がかかりました。その間に TSMC や Samsung が先端チップ製造の一部で主導的な立場に立ちました。一方で AMD は2017年から Zen アーキテクチャで本格的に競争へ戻り、手頃な価格で多くのコアを提供しました。Intel は設計、製造計画、価格を見直す必要がありました。

2021年、Intel は Alder Lake などのハイブリッド型プロセッサで応えました。高性能コア(P コア)と省電力コア(E コア)を一つのチップに組み合わせたものです。クロック速度を上げるだけでは十分ではないことを、この設計が示しています。

Intel CPU の歴史から学べること

まとめ

約2,000個のトランジスタを持つ Intel 4004 から、数百億個を持つ現在のプロセッサまで、Intel CPU の歴史は、設計、製造、そしてユーザーの信頼における絶え間ない再発明の物語です。コンピュータの電源を入れるたびに、私たちはこの発展の成果を使っています。